新 年 度 を 迎 え て

「近頃の高校生よりも、近頃の大人、近頃の社会」

社団法人全国高等学校PTA連合会会長  藤井 久丈

 

 

最近、上京の度に気になることがあります。地下鉄に乗り込むと、10人座っているとすれば、少なくとも4人、大人も子供も年配の人までが、携帯電話の画面を見て指先をせわしく動かしている光景に出くわすことです。皆、結構メールをする時代になったのかと納得したら、実は年配の人を含めゲームに夢中な様子でした。ここ数年、全国高P連で調査し、子供達が変わってきて大変だと認識していましたが、変わってきたのは子供達だけでなく、むしろ高齢者まで含め、近頃の大人の方ではないかとつくづく感じざるを得ません。
今まで分別のあると思われた大人が急に想像できないような行動を起こしたりするような社会が、子供達を変えてしまったのではないか。
昨秋、文科省主催の世界エイズデー・シンポジウムにシンポジストとして参加して思ったことです。先進国中、日本だけが若者たちのエイズが急激に増加している状況の中、どう対処していったらよいのか、とりわけ今の高校生に必要な学校での性教育はどうあるべきかが話題となりました。
その中で私は、全国高P連が平成16年度に行った「全国高校生の性意識調査」に基づき、高校生の性関係が非常に早期化し、相手が多数化し、また無防備であるというような話をしました。とりわけ性情報が氾濫し、子供達の心の不安定さを救えず、心の繋がりが希薄となった、今の大人社会が大きな問題であると話してきました。私たちは子供達の調査から入った訳ですが、親、大人、そして学校、先生、社会自体が病んでいる事に気付き、少し考える時期に来ているのではないか、そのための活動をしなければならないかと思う訳です。
もう一つ、社会に対し、気になることがあります。保険業法の一部改正のことです。昨年9月の段階では、高校の安全互助会はこの新法の適用除外と言うことでしたが、文科省や金融庁への要請、金融担当副大臣への陳情にもかかわらず、3月7日の閣議決定で適用除外とならなかったのは大変遺憾です。PTAそのものが、本来的にはボランティア団体であり、子供達の健全育成や学校教育の振興のため、学校や県や国ができない役割を引き受けて(肩代わりして)行っていることが多分にあります。聖域なき改革と言われても、利益を追求する保険会社とは違います。PTA活動を他の団体と同じように一律に法の規制に当てはめられては、きわめて心外です。
社会も少しおかしくなっているのかもしれません。めまぐるしく変化する社会変化の中で、今こそPTAはしっかりとした判断力のもとに活動しなければならないと考える近頃です。