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T 基本目標及び事業方針
昭和22年、戦後のわが国の教育の基本を確立するため、教育の基本理念、教育の機会均等、義務教育の無償等について定められた教育基本法が、先の国会で60年ぶりに改正された。その理由として、この間に教育水準が向上し生活が豊かになる一方、都市化や少子高齢化の進展などによって教育を取り巻く環境が大きく変化したことや、子どものモラルや学ぶ意欲の低下、家庭や地域の教育力の低下などが挙げられた。基本的理念である第1条教育の目的には「人格の完成」と「国家・社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」を揚げて旧基本法と変わりないが、前文には新たに公共の精神、豊かな人間性を備えた人間の育成、伝統の継承、未来を切りひらく教育等の文言が入っている。PTA関係では、その第3条に生涯学習の理念、第10条には家庭教育、第13条には学校、家庭及び地域住民との連携協力が新設され、従来から行って来たPTA活動への新たな裏づけとなった。 本連合会は、高等学校のPTA活動を通して、家庭教育の充実を図り、家庭、学校、地域社会との連携を深める中で、子どもたちの健全育成を図ることを目的としている。父母その他の保護者が子どもたちの教育について第一義的に責任があることは当然であり、実際、大多数の保護者はその責任を果たすべく、日々努力を重ねている。しかしながら、種々の理由で十分にその責任を果たしきれない保護者がいることも事実である。私たちPTA組織は、そのような保護者も含めて、孤立することなく、ともに語り合い、理解し合い、支え合えるようなPTA活動を目指している。 18年度は、高等学校における必修科目の未履修問題や小中高等学校段階にまで広がったいじめ問題で全国的に大きく揺れ動いた。未履修問題は、根本には大学受験という大きな問題に対応する中で起こったことであり、全高P連としても受験を間近に控えた生徒のために文科省への働きかけなど迅速な行動を取り、文科省も具体的対応策を提示して、一応の決着は図られた。しかしながら、履修、未履修によって生じた生徒間の不公平感や、確かな学力や豊かな人間性を育てるはずの学校側の信頼回復などが課題として残っており、各家庭やPTAの集まり等でも、今後も必要に応じて話し合って行く必要があるだろう。 また、いじめによる自殺という悲惨な事故の続発に直面して、保護者や学校はもちろん地域や関係機関、広く世間一般までが大変心を痛め、いじめられっ子、いじめっ子、の両者に向かって、生きて生きて生き抜いててほしい、命を大切にしてほしい、弱いものいじめをしないでほしい、逃げてほしい、相談してほしい、あなたの味方になる人はかならずいるから、と訴えかけてきた。しかし、まだまだ、その声は被害者、加害者共に十分には届いていないようだ。 最近の読売新聞が行った全国世論調査(’06.11.11)によると、いじめが大きな問題になっている背景として、「親が社会のルールを教えていない」(65%)、「他人の痛みを思いやることができない子どもが増えている」(55%)、「親が子どもの悩みを把握できていない」(52%)、と家庭での教育の問題が大きいと考えている人が多い、との結果が出ていた。私たち保護者は、それぞれが自分の背中でわが子を教えられるように、そして、PTA活動を通して互いに協力し合いながらすべての子どもたちに手を差し延べられるように、地道な努力を重ねていきたい。 以上の事を踏まえて、19年度の事業方針は以下の通りとする。
1.各都道府県市高P連研究大会や9地区大会あるいは全国大会は、全国津々浦々で取り組んでいる地道なPTA活動を会員全体の共有財産にする格好の機会である。そのため、それぞれの研究大会が個々の独自性を保つとともに、互いに有機的に結びついて、情報が広く共有され、内容が深められて、最終的に全国大会に収斂していくように努力する。19年度は「情報社会の進展とPTAの役割」を全国共通テーマとして、出来るだけ各大会で取り上げ、紀要としてまとめる。
2. 学校教育・家庭教育の振興、子どもの健全育成、安全、進路保障、保護者自身の自己啓 発等のために、各種委員会活動を充実発展させる。
3. 現代社会生活に不可欠なIT、特にデジタルメディアが、子どもに与える影響について の子どもと保護者の意識と実態調査、及びそれに基づくシンポジウムを開催し、心身共に健全な子どもを育てるための環境作りに資する。
4. 近年若者の間に広まっている薬物乱用の危険性を保護者に理解してもらうために、保護 者向け薬物乱用防止冊子を本年度も作成する。
5. 子どもの健康安全は、保護者の最大関心事である。多くの高校生が登下校で利用する自 転車による事故や自動二輪による事故が後を絶たない中で、本連合会として自転車事故防止への意識を高めるためのDVD作りを企画する。また、19年度は、オートバイに関する「3ない運動」の5年毎の見直し時期にあたる。全高P連としての基本的方針は、昨年9月、前回の北海道宣言を踏襲することで合意しているので、全国大会埼玉大会でそれを確認する。
6. 進路に関する親と子のコミュニケーションのより良い在り方を検討するために、本連合 会と(株)リクルートは、過去2回にわたって「高校生と保護者の進路に関する意識調査」を行ってきた。本年度、このテーマで第3回目の共同調査を実施する。
7. 文部科学省、各地方教育委員会、各校長協会、日本PTA全国協議会をはじめとした各社 会教育団体等との連携を深め、学校教育の振興と子どもたちの健全育成に努める。
8. 広報誌の発行、ホームページの充実、事務局便りの発行等を通して広報活動に努め、情 報の共有化を図る。
U 事業内容
1.高等学校PTA活動の質的向上と情報共有化に資するための研究大会、講演会、研修会の開催
(1)全国大会(年1回) 学校教育・家庭教育の振興、青少年の健全育成、高等学校PTA活動の質的向上及び情報の共有化を図るため、第57回全国高等学校PTA連合会大会埼玉大会を、埼玉県さいたま市を中心に上尾市、草加市おいて、19年8月23日(木)〜25日(土)の3日間にわたり、さいたまスーパーアリーナをメイン会場にして開催する。
・メインテーマ
夢 希望 彩り豊かに 輝く明日を創造する力
・サブテーマ
21世紀を力強く支え 笑顔で世界を駆ける 人間力の向上を目指して
・大 会 趣 旨
科学技術の進展はさらに加速度を増し、利便性や効率性を享受する中で、私たちの意識を大きく変容させてきています。しかし、私たちは、文明社会での過度な依存に陥ることなく、ますます主体的に生きることが大切です。とりわけ次代を担う青少年は、「生きる力」を身につけ、自然と共に、人と共に、社会に生きる人として人間力を高めることが一層期待されているところです。 今、私たちは、青少年の健やかな成長を願い、家庭・学校・地域がより一体となって、青少年の人間力向上を図る諸活動を支援し、推進することが必要です。全国のその先駆的な、あるいは、発展的な実践事例を埼玉の地から発信していただくことも含め、お互いが研鑽し合い、今後のPTA活動に生かしていきたいと考えます。そして、青少年が「21世紀を力強く支え、笑顔で世界を駈ける人」として成長するように、適切な支援をすることを、あらためて、「彩の国・埼玉」で確認しあおうではありませんか。
第一分科会 高校教育とPTA: 子どもたちが夢や希望を語れる学校づくりとPTA活動
第二分科会 進路指導とPTA: 子どもの自立を支援する進路指導
第三分科会 生徒指導とPTA: 学校・家庭・地域の役割と連携について
第四分科会 家庭教育とPTA: 親として学ぶこと、考えるべきこと
特別第一分科会 <国際社会で求められる人間力の育成とPTAのあり方>
−彩り豊かに笑顔で世界を駆け抜けるために−
特別第二分科会 <環境教育の推進とPTAの役割>
−輝く未来のために地球にやさしい生き方を探る−
特別第三分科会 <情報社会の進展とPTAの役割>
−情報社会の中でのモラルやマナ−を育てる家庭における情報 モラル教育
(2)地区大会(9地区) 各地区高等学校PTA活動を推進するために、各地区高等学校PTA会員が一堂に会して北海道から九州までの9地区で、6月から7月にかけて研究大会を開催する。
・北海道地区高等学校PTA連合会大会 6月29日(金)・30日(土) 函館市
・東北地区高等学校PTA連合会大会 7月 5日(木)・ 6日(金) 山形市
・関東地区高等学校PTA連合会大会 7月 5日(木)・ 6日(金) 前橋市他
・東京地区高等学校PTA連合会大会 6月 3日(日) 代々木
・北信越地区高等学校PTA連合会大会 7月 6日(金)・ 7日(土) 富山市
・東海地区高等学校PTA連合会大会 6月15日 (金) 岐阜市
・近畿地区高等学校PTA連合会大会 6月29日(金)・30日(土) 京都市
・中国四国地区高等学校PTA連合会大会 7月12日(木)・13日(金) 香川県
・九州地区高等学校PTA連合会大会 6月21日(木)・22日(金) 長崎市
2.各種委員会活動の充実
現在、本連合会においては、健全育成、研修、進路対策、調査広報の4常置委員会を設置して、活動の充実を図るとともに、会長・副会長・専務理事・常務理事及び常置委員会委員長による総務委員会により組織の強化と相互の連携を図っている。 また、賠償責任補償制度運営のための専門委員会を設けて、賠償責任補償制度に関する内容の研究と運営の充実について検討を重ねている。
(1) 総務委員会
@ 審議事項の決定 ・ 理事会、総会等各種会議に提出する事項の審議 ・ 補助金事業の計画及び見直し ・ 全国大会宣言文等の協議と審議 ・ 全国大会における「3ない運動宣言文」作成 ・ 全国表彰の審議 ・ 地区大会との統一性を持たせるテーマの決定(補助金関連) ・ 賛助会員の資格審議 ・ その他、他の委員会に属さないこと
A 各種会議及び委員会活動の連携と効率化 ・ 会議や委員会活動の効率化を図る ・ 各委員会間の連携を図る ・ 各都道府県市連との円滑な連携を図る
B 活動予定 ・ 7月 9月 2月 5月 6月 ・ その他、緊急を要したとき
(2) 健全育成委員会
@ 事業名称
a. 子どもを取り巻く人間関係の回復と社会環境の充実事業
b. 薬物乱用防止事業
A 事業内容
a. この事業は、独立行政法人福祉医療機構の補助事業として、平成18年度より3ヵ年計 画で取り組んでいるものです。子どもたちのさまざまな問題行動の背景には、家族関係をはじめとする社会全体の人間関係の希薄さがあるのではないかという考えに基づき、昨年平成18年度は「言葉・態度が人間関係に与える影響」と題して、いじめを動機とする自殺や不登校の原因ともいえる、目に見えない言葉の暴力などに関して全国9地区6500人の高校2年生にアンケートを実施・分析し、併せて全国5地区においてシンポジウムを開催して、内在する問題や背景などを調査するとともに、家庭・学校・地域社会の適切な取組みの方向性を提言した。 本年度は、より具体的な形で、社会全体の人間関係の希薄さを助長していると考えられるデジタルメディア(携帯電話、インターネット、コンピューターゲームなどのツール)との関連について、メディアリテラシー教育を含め、高校生と保護者に対してアンケートを実施、またシンポジウムを開催することによって調査・分析をすすめ、適切な方向性を提言する。 また、来年の最終年度における本事業の総括にむけて、具体的な運動として繋がるように事業全体の方向性を確認する。
b. 違法な薬物や脱法ドラッグなどの薬物乱用の事例や犯罪が、低年齢化、日常化している事態を憂慮し、高校生と保護者をはじめとする大人への啓発活動を引き続き継続していくことが必要と考える。パンフレットを120万部作成し、全国の加盟校4500校の会員に配布することによって、薬物乱用防止の啓発活動を継続する。 尚、この事業は財団法人日本宝くじ協会から補助を得ている。
B 活動予定表
@. 委員会(第2回と4回は協力者会議と併催)
第1回 第1回総会2日目(6月)
第2回 (7月)
第3回 第1回会長事務局長会議2日目(9月)
第4回 (12月)
A. 協力者会議
(ア) 子どもを取り巻く人間関係の回復と社会環境の充実事業
第1回(5月)事業の全体計画の策定とアンケート原案の検討
第2回(7月)アンケート内容の決定
第3回(12月)アンケート結果の分析
(イ) 薬物乱用防止事業
第1回(8月)パンフレットの内容、構成、記載データなどの企画会議
第2回(10月)パンフレット製作業者のプレゼンテーションに対する評価と入札による業者の決定
(3) 研修委員会
@ 事業名称
a. 全国大会埼玉大会、愛知大会への支援、協力
b. 全国大会運営に関して基本的事項の検討
c. 調査研究紀要の発行
A 事業内容
a. 19年度埼玉大会の成功に向けて問題点の最終調整 20年度愛知大会の特別第3分科会のテーマ決定
b. 18年度申し送り事項の全国大会のあり方、持ち方について確認
c. 平成19年度調査研究紀要「情報社会の進展とPTAの役割」の編集と発行
B 活動予定
委員会
第1回 第1回総会2日目(6月)
第2回 第1回会長事務局長会議2日目(9月)
第3回 第2回総会2日目(2月)
(4) 進路対策委員会
@ 事業名称
a. 第3回「高校生と保護者の進路に関する意識調査」の実施
b. 就職支援のための関係機関への要請活動
A 事業内容
a. 進路に関する親と子のコミュニケーションのより良い在り方を検討するために、全国9地区の高校生及び保護者を対象とした進路意識調査を(株)リクルートと共同で実施する。
b.キャリア教育
現在はまだまだ、目的、必要性、手段が浸透していないように感じる。 その進展方法等について意見交換を行う。
c. 就職支援のため文科省、厚生労働省、都道府県市教育委員会、経済団体等へ の要請活動(主には文書による要請)を行う。
B 活動予定
委員会開催 3〜4回
1回目(6月下旬・・総会時)
2回目(9月下旬・・全国会長、事務局長会議時)
3回目(2月中旬・・総会、全国会長、事務局長会議時)
(5) 調査広報委員会
@ 事 業 名 称・内 容
a. 全高P連会報の発行
・年3回の会報発行にあたり、前号の反省と次号の編集会議を行う。
b. 全高P連ホームページ内容の検討
・ホームページの重要性は高まっており、その充実・発展のため内容を検討し提言する。
c. 全国大会埼玉大会会場にて全国優秀PTA広報紙(会報)の展示。
・県連単位で2紙程度を選択していただき展示する。 (各単位PTA会員においては身近な広報紙で大変関心のある事業である。紙面作り等を是非参考にしていただきたい。)
A 活動予定
委員会
第1回 第一回総会2日目(6月)
第2回 優秀会報誌 展示・撤去(8月)(19年度計画)
第3回 全国会長・事務局長会議2日目(9月)
第4回 第二回総会2日目(2月)
第5回 次年度会報編集会議(5月)
(6) 賠償責任補償制度運営委員会(専門委員会)
@ 事業名称及び内容
a.加入者拡大運動
・各県連会長、事務局長を通じて加入者増加についてお願いする。
b.自転車事故防止運動
・ビデオテープを作成して加入全高校へ配布し、自転車事故防止を呼びかける。
c.賠償責任補償制度の内容の再検討
A 活動予定表
委員会 必要に応じて開催
3.青少年の健全育成及び進路に関する調査研究と啓発活動
(1)文部科学省補助事業による調査研究及び研究会の開催
本連合会は、国からの社会教育団体への補助金が削減あるいは打ち切りが行われている中で、毎年、全国大会及び調査研究用になんとか補助金を得ている。これは、各単P、県連P、地区連P、全高P連での日頃の研究、実践、あるいは提言等が、一定の評価を得ているからであろう。今後とも、我が国の学校教育の振興と青少年の健全育成、家庭教育の充実に向けた着実な研究と実践に努めていきたい。 19年度の全国共通の調査研究テーマは、「情報社会の進展とPTAの役割」である。各地区では、すでに18年度からこの取り組み準備に入っており、地区大会その他で研究発表、シンポジウム等が計画されている。最終的には、各地区からの成果を本年度の全国大会埼玉大会の特別第3分科会に集約することになっている。また、それは、19年度の紀要としてまとめられる。
(2)独立行政法人福祉医療機構補助事業による「子育て支援事業」の実施
事業名:「子どもを取り巻く人間関係の回復と社会環境の充実」事業
第2年次 「デジタルメディア社会における子どもの健全育成」
−高校生及び保護者のデジタルメディアに対する意識と実態− についてのアンケート調査
本事業は、平成18年度から3ヶ年計画で取り組んでいる事業である。18年度は、「見えない暴力」― 言葉・態度が人間関係に与える影響 ― をテーマとして、京都大学大学院木原雅子助教授を協力者委員会委員長にお願いして調査研究を行った。身体的な暴力は外から見えるため、比較的発見される機会があるが、言葉の暴力は当事者間のやりとりのため、外からは全く見えない。また言葉の暴力を発している側もその自覚がない場合が多く、問題の発見が遅れる原因となっている。昨今、いじめ問題は、大きな社会問題となっており、この調査研究は、社会的にも大きな注目を集めた。 19年度は、急速に変化発展を遂げているIT(情報技術)の光と陰、それが子どもたちや彼らを取り巻く人間関係に与える影響について調査研究を行う。デジタル技術、ネットワーク技術の進歩普及はめざましく、メディアはアナログからデジタルへ急速に変化を遂げた。コンピュータと通信機器、家電の融合もはかられ、もはや人類にとって不可欠なツールとなりつつある。しかし、反面、デジタルメディアが思春期の子ども達に及ぼす影響もかつてないほど甚大で、家庭や教育機関はその対応に悲鳴をあげている現状がある。インターネットから入手される情報は、有益無益、有害無害、真実虚実の差別なく、国境を越えてやってくる。 また、かつてない技術を駆使したデジタルゲームを中心としたバーチャル体験が子どもに与える影響も大きい。あるいは、携帯電話をほとんどの高校生が持ち、中にはコミュニケーション手段として24時間手放さない子もいる。多くの親や教師は、感覚的に子ども達へのデジタルメディアの影響を危惧しながらも、自らの知識と経験がついていかず、手をこまねいている状態である。 さらに、これらデジタルメディアが人間に与える大きな特徴として「依存性」があげられる。そのことがいわゆる「はまる子」「きれる子」「ひきこもる子」等をつくっているばかりか、昨今の少年犯罪の大きなファクターとなっているとも考えられる。このような問題の実態を調査することによって、それに対する保護者や学校の対処の方向性を探り、子どもを取り巻く人間関係の回復と社会環境の充実への一助とする。
(3)財団法人日本宝くじ協会助成事業による「薬物乱用防止パンフレット」の発行
若年層、特に高校生を中心として薬物乱用事犯が相変わらず衰えを見せず、憂慮すべき事態が続いている。最近は、使用薬物の種類がシンナーや覚せい剤から大麻やMDMAなどの錠剤型合成麻薬に広がっている。 平成17年度、本連合会が行った「高校生の生活意識調査」によると、高校2年生男子のシンナー経験者は1.5%、覚せい剤や大麻の経験者は1.2%いた。また、高校2年生女子のシンナー経験者は0.4%、覚せい剤や大麻の経験者は0.3%であった。 使用のきっかけは遊び感覚やゲーム感覚、あるいは仲間意識といった軽い気持ちであるケースが目立つ。現代の情報化社会では、麻薬は携帯電話やインターネットを通して、他人に気づかれずに容易に購入が可能である。 本連合会では、これまで予防教育こそが薬物乱用防止のための最良の手段であり、最大の効果をもたらすとの考えのもとに、過去10年間薬物乱用防止活動に取り組んできた。現在、生徒を対象とした薬物乱用防止教育は徐々に改善されてきているが、保護者一般の薬物に関する意識は、未だ極めて低い状況である。しかしながら、この冊子の配布によって、薬物乱用防止に関する関心が高まり、パンフレットの追加請求が出る学校もある。学校は、毎年、高校生も保護者も1/3ずつ入れ替わる。それ故、この冊子を継続的に作成、配布し、高校生及び保護者に対する薬物に関する意識を啓発していくことは、大変重要である。
(4)バイクに関する「3ない運動」について
本連合会は昭和57(1982)年第32回全国大会宮城大会において「バイクの3ない運動」(・免許は取らない・買わない・乗らない)の決議文を上げて以来、高校生の尊い命を守るための運動を続けて来た。この間、5年目毎に見直しを図り、最近では平成14年第52回全国大会北海道大会がその年にあたった。それ故、平成19年度は、「3ない運動」推進に関しての見直しの時期となる。 この過去25年間に、交通社会も、交通安全教育も、さまざまな変容がみられた。3ない運動導入の初期においては、その規制的指導によって交通事故が徐々に減少し、その効果が現れた。しかし、昭和60年代に入って一時低下傾向にあった高校生の交通事故は再び上昇し始め、昭和62年第37回全国大会徳島大会特別決議文では、「親は子どもの要求に負けない」という1項目を加えて「3+1ない運動」として、この運動のさらなる推進を図った。一方、規制だけでは事故は減らないのではとの疑問の中で、「乗せて指導」へ転換した「かながわ新運動」も出てきた。 また、文部省(現文部科学省)からは、交通安全教育に関して幾つかの通知文(昭和56年,61年、平成元年)が出され、そこには「『3ない運動』は地域における現実的な対応の一つとして考えられるが、そのような措置だけをもって交通安全対策とすることなく、健全な社会人育成のため交通安全教育を徹底すること」、「二輪車に乗車する生徒に対しては、二輪車の安全運転に関する効果的な指導の在り方について検討し、運転の実技を含む安全指導を計画的に行うよう努めること」等の留意事項も明記された。このような流れの中で、先の北海道大会では、今後は二輪車のみならず自動車・自転車等を含めての包括的な交通安全運動を積極的に推進する必要があるとし、「高校生の大切な命を守り、生きる力を育てるための新たな運動の展開」という宣言文を承認した。その中で、3ない運動については「いわゆる『バイクの3ない運動』は基本的に引き続き推進する」と謳った。本連合会は、昨年の平成18年9月、総務委員会、理事会、全国会長・事務局長会議で今後の「3ない運動」の進め方を協議し、基本的には北海道宣言を踏襲することで合意した。
(5) (株)リクルートとの共同による第3回「高校生と保護者の進路に関する意識調査」の実施
進路に関する親と子のコミュニケーションのより良い在り方を検討するために、本連合会と(株)リクルートは、過去2回にわたって「高校生と保護者の進路に関する意識調査」を行ってきた。本年度、このテーマで第3回目の共同調査を実施する。調査内容は、親子の進路に関するコミュニケーション、進路観、職業観といった継続テーマのほか、現在の喫緊の問題について進路対策委員会を中心に協議し、決定していく。調査方法については17年度方式を踏襲し、全国9地区の生徒・保護者を調査対象とする。
(6) 高校生の社会参加とボランティア活動の推進
完全学校週5日制実施による高校生の自由時間増大の中で、これをどのように受け止め、高校生の健全育成のために、いかにして充実した高校生活に結びつけていくか、保護者として、PTAとして極めて重要な問題である。新潟県中越地震の際は、全国から集まったボランティアに交じり、地域の高校生も自主的に、避難して来た人々の生活支援に当たった。また、愛知県の51校の高校生約380人が8台のバスで到着し、炊き出しの手伝いや住居の片付けなどの支援にあたったという。また、東京都では、平成19年度からすべての都立高校が授業の中に奉仕体験活動を取り入れ、他者に共感し、社会の一員であることを実感し、社会に役立つ喜びなど多くのことを体験的に学んでいくという。 本連合会としても、高校生の健全育成に非常に意義のある高校生の社会参加とボランティア活動への積極的参加の推進を図るため、PTAと高校生が中心となって地域でのボランティア活動を行っていく方策を検討していきたい。また、親として自らも進んで社会奉仕活動に取り組む努力を進める。
4.青少年の国際交流
今日、ますます国際化が進展する中で、諸外国の人々と直接交流する機会が増えている。このような時代に対応して、様々な文化と多様な価値観を認め合う優れた国際感覚と広い国際的視野を培い、国際社会に主体的に生きる人間としての資質が求められている。さらに、一人ひとりが世界に目を開き、我が国の発展に寄与するとともに、世界に貢献することが望まれている。 本年度全国大会埼玉大会では特別第1分科会において、「国際社会で求められる人間力の育成とPTAの在り方」をテーマに基調講演とパネルディスカッションを行う。ここでは、21世紀のこれからの日本を担う子どもたちに必要な、国際社会で求められる「人間力」とは何かを考えるとともに、その資質を身に付けさせるために学校や家庭、PTAはどのように係わり合っていったらよいかを協議する。 本連合会では、現在、10数県の高P連が主催あるいは共催等の形式で国際交流派遣事業を行っている。今後、本連合会の国際交流に関する活動を活性化するため、各都道府県高校生及びPTAの国際交流の現状及び今後のあり方について研究協議する。
5.広報活動の充実
(1)「社団法人全国高等学校PTA連合会会報」の発行
本連合会が取り組む活動、掲げる課題についてきめ細かく会員に紹介するとともに、現在各都道府県市高P連合会が抱える問題、全国的に話題となっている事柄を紹介していく。 また、本連合会各種委員会が実施した調査結果等については誌面を通じて報告し、各都道府県市連合会の参考に資する。 さらに、現在各都道府県市連合会によって発行されている会報等には今日的課題を取り あげ、問題提起しているケースも多く見られるところから、ユニークな内容・課題については、全国各地のPTA活動の参考に資するため極力紹介し、活動の全国的展開を図っていく。
(2)メール、ホームページの活用
平成18年度、メールは1県を除いて全てに設置された。諸連絡も少しずつメールに切り替えてきた。本年度は、メールによる連絡を一層推進し、時間的、経済的効率化を図っていく。 また、ホームページのもつ速報性、広域性、利便性あるいは双方向性等の特徴を生かしたホームページを目指す。そのために、調査広報委員会あるいは新たなホームページ委員会等の組織を活性化し、組織的、計画的な運営を図る。 ホームページには、本連合会の活動内容、各委員会における調査結果、理事会・各委員会の活動状況の紹介、各県P連のホームページとのリンクあるいは県連の活動等を掲載していく。平成17年度からトップページに「各都道府県市高P連便り」を掲載しているが、好評である故、本年度も継続する。
(3) (社)全高P連事務局インフォメーションの発行
平成19年度も、原則、月2回の「事務局インフォメーション」の発行により、本連合会の行事予定、活動状況、事務局のお知らせ、関連官庁等に関する情報や資料等を、広報誌やホームページと有機的に関連付けながら情報提供し、会員間、事務局間の情報の共有化に努める。メール送付を原則とする。
6.団体及び個人の表彰 顕著な業績をあげたPTA、その他の団体・個人、本連合会及び地区活動や県市連合会に対する功労者に対して、第57回全国大会埼玉大会において表彰する。
7.その他の事業
(1)全国会長・事務局長会議の開催 各都道府県市PTA連合会の会長・事務局長が一堂に会し、事業の進捗状況を報告するとともに、相互の緊密な連携を図るため、当面する課題について協議し、共通理解を図る。また、新たに発生したPTAをめぐる課題についても研究協議していく。
(2)文部科学省等関係諸官庁等への協力者の推薦及び選任
(3)社会教育関係団体との情報交換、連携活動
(4)諸官庁及び社会教育関係団体等に対する後援名義の使用・協賛
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