新春のご挨拶



新 春 に あ た り

社団法人全国高等学校PTA連合会会長  藤井 久丈

新年明けましておめでとうございます。
昨年末、その年の世相を表わす言葉として『愛』という漢字が選ばれました。去年の話をすると鬼が笑うと言われますが、このことが些かネガティブな意味で私の心の中に引っかかっています。ITの進化による情報化社会への変貌とドラスティックな社会構造の変化のため、価値観が変化し、『愛』というこれほど単純で純粋な感情の発現にてこずっているのは、子供達だけでなく、若者、そして分別のある大人にまで拡がっているという事実に唖然とします。陰湿で執拗な行動を繰り返す、前後の見境なく暴れる、突然キレル、テレビのチャンネルを切り替える感覚で人との繋がりをシャットアウトする、極端な場合には凶悪な事件や殺人までに至るとしたら、それは正にこの『愛』という言葉を失ったからに違いないと私は感じています。そういう意味で今年こそ、この『愛』がポジティブな意味になるよう、『愛のリベンジ』に全力をあげなければいけないと思うのです。
さて、翻って全高P連の活動を考えると、平成15年度から始めた『全国高校生の生活意識調査』は、昨年度に性の問題を取り上げて、教育界のみならず各方面の反響を呼びました。結果として、現在の高校生の心の繋がりに飢えた複雑な心境や、彼らを取り巻く社会環境の弊害に気付かされたわけです。その弊害の大きな原因として性情報の氾濫が浮かび上がりました。これをきっかけに、17年度は親子関係の問題を取り上げ、全国高校2年生6000人に『全国高校生の生活意識調査』を行いました。ここで見えてきたのは、勉強時間が極端に短く、テレビ漬けやケイタイ漬け、ゲーム漬けとなり心身ともにガタガタで疲れきった可哀想な高校生の姿だったのです。1日にテレビを3時間以上見る生徒が43%、学校以外でまったく勉強しない生徒が48%もいました。出会い系サイトの経験者は5%、援助交際は1.3%、万引の経験者は14%いました。女子の自傷行為の経験者が10%にも達していることに胸が痛みました。生活態度や規範意識においても、もはや看過できない状態です。限りなく変化する大人たちの便利な社会で、子供たちの意識や行動が悪い方向に変わってきています。子供たちを育て上げる責務があるのは、私たち大人たちであるはずです。「携帯を作ったのも大人、与えたのも大人、金儲けのために人を陥れようとしているのも大人」という子供たちの叫び声を昨年の長野の全国大会で聞きました。
本連合会は子供たちの健全育成を何よりも願い、これからの子供たち、日本のために、親として大人として自らの自覚を高め、この責任を果たすべく、全国250万の会員、4500校のPTAを基盤に、一丸となって、自らに、そして学校に社会に呼びかけ、行動して行きたいと思っています。今年度も、会員の皆様の更なるご協力をお願いしたいと思います。